ねこ日記

適当オブ適当

荒くれ読書感想文ー「鈴木ごっこ」

はいはいはーい完全に趣味丸出しでおっぱじめたブログですが

最近くっそ忙しくも地中に潜伏しているといった有様のモグラのような日々でロマンティック溢れるハプニングも無いし、声高らかに主張したい事も無いんで読書感想文でも書き殴ったろうと思います。

 

結構前に読んだ本なんだけど、未だに記憶にこびりついている作品の一つ

 

木下半太 『鈴木ごっこ

簡単なあらすじとしては

どえらい借金をこさえた男女が、怖いオニーサンから

「鈴木家として一つ屋根の下で一年過ごせば借金チャラにしてやるよ」と持ちかけられて家族ごっこがスタートするっつう内容。

 

鈴木さん一家として1年間過ごすだけで借金チャラって凄いじゃん!と思いつつ、若干の謎とほんのりしたホラー感を残して家族ごっこがスタートするんだけど、

大筋のストーリーの合間に適度にハプニングがあったり、借金を抱える事になった理由や、「鈴木さん一家」になる前の人生といったエピソードが盛り込まれているのでテンポよく読み進められる。

 

っつうわけで、こっから個人的な感想をぶっこんでいきます。

 

私は元来の疑り深い性格も相まって、ミステリーに限らずあらゆる物語において必ず裏読みしたり、あらぬ邪推をしたりと中々に根性がねじくれているんだけど、この話はマジで意外だった。

まーた良い感じで感動する描写が散りばめられているので、あらあら!素敵な家族になりそうね?なんて錯覚しそうになる。

即席で集められたワケありメンバーが「鈴木家」として借金返済に奔走したり、ハートウォーミングな展開があるのかと期待して読んだら

大やけどするぞ!!!

 

ホンッと最後まで鈴木家として過ごす理由が明かされないのでラスト数ページで何もかも覆るし一気に恐怖が襲ってくる。

幽霊がー呪いが—という下手な怖い話よりよっっっぽど怖い。

 

私は読了した瞬間の感想が「もう人間怖い」という言葉以外出てこなかった。

 

 

勝手に期待して、勝手に裏切られた気持ちになりかけるがラストから一気に駆け抜けるどんでん返し感や、迫真のシーンはお見事。

あれこれと考えずに済むくらい読みやすい上に、ものの見事に全てひっくり返るというホラー感を是非味わって欲しい!!

 

多分本を読むのが早い人なら1時間半程度で読めると思う。

鈴木ごっこ、お勧め。

 

 

木下半太 『鈴木ごっこ